〝スマホやタブレットなどIT機器の利用が生活習慣に浸透する一方で、
日本人の活字離れが深刻
になっていることが指摘されている。
本書では、
読書習慣と子ども達の脳の発達に関して、かなりショッキングな「科学的事実」を皆さんに突きつけることになります。〟
(はじめに より)
本日ご紹介しますのはこちらの書籍
最新脳科学でついに出た結論
「本の読み方」で学力は決まる
川島隆太 監修 松崎泰 榊浩平 著
(2018年9月初版)
はじめに
読書の話になると、
以前新井紀子さんが
AI vs 教科書が読めない子どもたちにて、
「読解力」と「読書量」
に相関関係は見られないとされていました。しかしこれはあくまでRSTテストで測った読解力において、相関関係が見られないとの結果。
一方で、川島隆太さんは、
学力と読書量の相関関係について、
読書量が多い方が学力が高いとしています。
以下、詳細
本書内にある
RST(リーディングスキルテスト)によって調査された
「読解力」の定義
⭕️文章の意味内容を理解すること
(辞書に載っているごく当たり前の意味での読解力)
❌小説や評論文を読んで作者が訴えたいことや行間に隠されている意味などを読み取ること
本書が出版された段階では、
残念ながら
こうすれば「読解力が上がる」
こうすると「読解力が下がる」
といえるものは発見されていない。
上記を調査したアンケート結果より、
読書習慣
学習習慣
得意科目
スマートフォンをどれくらい使うか
新聞購読の有無
ニュースをどんな媒体から知るか
→これらに読解力との相関は何もない。
(唯一、スマートフォンを使いすぎると読解力の能力値がさがるなぁというくらい)
新井紀子さんの言う「読解力」とは相関がみられませんが、「学力」との相関については、川島隆太さんの著書がとても参考になります。
こちらでは、
読み聞かせ・読書習慣は脳に良いとされ、
テレビ・スマホ・ゲームは脳に悪影響を及ぼすとされています。
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それでは、本題へ。
読書習慣のない小中学生の多くは、家庭での学習や睡眠時間にかかわらず、試験の成績が平均点以下になっています。毎日1〜2時間も勉強して、ちゃんと睡眠をとっているにもかかわらず平均点以下の成績しかとれません。それは脳の発達と関係があります。
本書では、
「スマホの普及が読書離れの一因となっている」
という、因果関係が示唆されました。
また、小学生の勉強に関して
小学生は、勉強2時間やるより、
勉強時間1時間+読書1時間がベスト
という分析結果が導かれました。
さらに言うと、
小学生にとって、勉強・睡眠・読書時間の最適な組み合わせは
勉強 30〜1時間
睡眠 8時間以上
読書 1時間以上
たくさん読書して幅広い知識や視野を身につけたり、豊かな感受性を養った方が学力に結びつくといえる。
我が家は、絵本タイムを寝る前に1時間とっているのですが、長男が入学してからも続けたいなと思っています。
スマホやタブレットの使用時間など、
今後子どもたちが成長するにつれて身近な問題となってくるだろうなということばかり。
本書では、
〝テレビやゲーム、そしてスマホと現代は子ども達を誘惑する魅力的なメディア機器であふれている。
それらのメディアの娯楽が全て絶対悪だとは言わない。
時には息抜きも必要。
警戒するべきは
子ども達がメディア機器に支払いされてしまうこと。
平成30年には
WHOがゲーム依存症は「病気」と認定しました。
最初は軽い息抜きの気持ちで始めたゲームやスマホでも、一度依存症に陥ってしまうと自分の力だけではなかなかやめられない。
そのような泥沼にらはまらないためにも、
子ども達は強い心を持って自分を律する「自己管理能力」を身につける必要がある。〟
としています。そして、
〝規則正しい生活を送ること〟
が読書の効果を最大限発揮する意味でも重要としています。
医師の方達が執筆する書籍の多くは
生活習慣がきちんとしていること
睡眠を大切にすること
に重きを置いているということを、以前ブログに書きました。
そして、それは当たり前のようで実は難しかったりするということも。
自己管理能力が高いと
生活習慣がきちんとしている。
その、
自己管理能力には
強い心を持って自分を律する
ということが必要だからこそ、実は難しいのかもしれませんね。